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わくぺめも

怖い夢

朝。夢の中で、起きた。シャワーを浴びようと思って、まずは玄関に向かった。防犯のため、シャワーを浴びる前には玄関の鍵がかかっているかを確認する、と決めているから。このへんは現実に朝起きてからとる行動とまったく同じなので、まだ夢だと気づいていない。

玄関に行って、ドアノブのあたりを見たら、鍵が開いていた。施錠しようと思ってなんの気なしに手を伸ばした、ら、その瞬間ドアの向こうから貫通するように手が伸びてきて両手を掴まれた。乱暴な感じでも何か音がするわけでもなく、まるではじめから誰かがそこで静かに待っていたみたいだった。

夢の中では、とっさに「覗き穴を通って手が伸びてきた」んだと思った。もちろんそんなん起きるわけがない。覗き穴とは全然違う位置だし、片手ずつ別々に、2ヶ所からぬっと手が伸びてきたし、そもそも小さな覗き穴から手は出せない(『目は4つもない』のコピペみたいだ)。今思うとわけがわからない状況だけどそれでも違和感はなくて、夢だとは気づかなかった。脳の補正力ってすごい。

とはいえ、夢だと気づいてなくても(気づいてないからこそ)まともに思考が働かないくらい怖かった。握られた手の生暖かさがはっきりわかって、無機物ではなく明らかに人のものなんだと思い知らされる肌の柔らかさも伝わってきて、気持ち悪くて怖くて怖くて、叫ぼうとしたけど声が出なかった。喉が締まったようになって息が苦しい。しかもそこで思い出してしまった、ドアの鍵は開いている。ドアの向こうにいる人(ヒトじゃないかもしれない)にぱっと手を離してドアを開けられてしまったら、と思うと安直に振り払うこともできなくて、両手を生暖かく脈打つ手に掴まれたまま、とにかく混乱してやばいやばいやばいやばいって考えていたら目が覚めた。

どうやら、うつぶせに寝ていたらしかった。両手を重ねて、それを枕にするようにして二度寝していたっぽい。そのせいでこんな夢を見たんだと分かって、一気に肩の力が抜けた。じっさいに玄関に行ってみたら、鍵はちゃんとかかっていた。よかった。

という夢を見たんだ

この文章、長いこと下書きに保存されっぱなしになっていて、最終更新日を見たら『2018/3/30 15:06:18』とのことだった。2ヶ月も前となるとこんな夢を見たこと自体完全に記憶から消えていたけど、読み返していたらあの手の感触や自分の焦りをはっきり思い出せた。夢を書き留めておくのも結構面白いもんだなあとうんうんうなずきながら今この部分を追記してる。けどお風呂に入る前に読んだのは失策だったかもしれないな。