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わくぺめも

CINEMA FIGHTERS舞台挨拶メモ(1)

  • 2018年1月27日(土)10:00開始の回
  • 登壇者: 落合賢、岩田剛典、桜庭ななみ(敬称略)
  • 手書きのメモをもとに書いているので、細かい語尾などは雰囲気です
  • 上映後の舞台挨拶なので、作品のネタバレを含みます

まずは監督の挨拶からスタート。

監督「おはようございまーす!(後ろのスクリーンを振り返りながら)このでかいスクリーンの前に立つと、どれだけでかいのかって分かりますね。20mくらいあるらしいですね! 岩ちゃんとななみちゃんの顔が20mに引き伸ばされて、ねえ」
岩田「ウケますね」
監督「皆さん、20mの岩ちゃんとななみちゃんをご覧になって、どうですか?」

客席から拍手。

落合「インタビューとかで読んだかもしれませんが、岩ちゃんとななみちゃんを極寒の中歩かせてなかなかカットを入れなかった、鬼監督こと落合賢です! 今日はね、岩ちゃんたちを雪の中を歩かせたように追い詰めて、追い詰めて追い詰めて、普段見られない顔をお見せしたいと思います」
岩田「ははは」
司会「今日はライブビューイングのカメラも入ってまして。全国の映画館にお越しいただいた皆さまにもご覧いただいています」
岩田「ありがとうございます! 撮影から1年くらい経ちましたかね。あっという間ですね。なので、この舞台挨拶は自分たちにとっては晴れ舞台のような感じで……まあ今日はほとんど落合監督が喋ってくださるので、僕らはそれに……(監督を横目で見る)」
落合「いやいや! 僕が喋りすぎたら皆さん拍手してくださいね。そしたら『あっ』て切り上げますから」
司会「では桜庭ななみさん……」

と振られた瞬間、客席から「桜庭ーーーーー!!!!!」と叫ぶ男性ファンの声が。

落合「ははははは! さくらばー、て!」
岩田「あはは」
司会「そこは『ななみー!』じゃないんですね、『さくらばー!』なんですね」
桜庭「ふふふ、今日をすごく楽しみにしてました! よろしくお願いします」

司会「CINEMA FIGHTERSという夢のプロジェクトに参加されて……完成したものをご覧になって、いかがでしたか?」
岩田「今回はLDHとしましても初の試みで、自分もショートショートに参加するのは初めてで。ショートショートの短い尺だからこそ集中して観られるというか。いろんな魅力が詰まったプロジェクトだと思いますので、自分に盛り上げられることがあれば、ぜひさせていただければと思ってます」
司会「6話それぞれ個性があふれてます。ショートショートといってもすごく壮大ですよね」
落合「ショートフィルムを6つ合わせて劇場で上映するというのは、日本ではなかなかないですよね。小説なら短編小説……それを合わせてアンソロジーとか、あったりしますけど。ワインのテイスティングのように90分でいろいろ楽しめるものだと思います。映画って意外と、長くするほうが簡単だったりするんですけど、今回は物語のエッセンスをぎゅっと凝縮しておさめました。カットしたシーンも結構あって」
岩田「ありましたね」
落合「(『SWAN SONG』は)最初のカットでは尺が21分あったのを17分にしていて。4分カットしてるんです。カットしてなければ、皆さんにもうちょっと長く岩ちゃんとななみちゃんを見ていただけたんですけど」
司会「なるほど。……『ワインのテイスティングのような』という喩え、すごく良かったのでパクらせていただいてもよろしいですか?(笑)」
落合「どうぞどうぞ! どんどんパクってください、パクりパクられの世界ですから(笑)」
司会「ありがとうございます(笑)。桜庭さんはいかがでしたか?」
桜庭「6つとも魅力的で、感想が止まらないですよね。観終えたあと、マネージャーさんとあれはああだよねとか、ずーっと話しながら帰りました」
司会「『SWAN SONG』は6作のうち最後なので、皆さんまさに今余韻に浸ってらっしゃると思います! 落合監督はこのオファーを受けたとき、この『Heavenly White』という曲からどういうふうにインスパイアされたんですか?」
落合「これ、歌詞が素晴らしいですよね。岩ちゃんも好きだそうで」
岩田「大好きですね」
落合「サビの歌詞で、『もう会えないから もう会わないから 永遠にぼくを許さなくていい でもあなたが今 この空の下で 誰より幸せなこと 祈っているよ』という歌詞があるんですが。この部分が作品の根幹になるのかなと感じていて」

頷く岩ちゃん。

落合「で、『かするよなKiss』っていう歌詞があるんですけど……かするようなキスってなんすかね?(岩ちゃんのほうを向きながら)」
岩田「俺に訊かないでください(笑)」
落合「鼻? 鼻をかするのかな? こう、鼻をかすりながら口もこう、かすって……?」
岩田「どんなシチュエーションですか!」
落合「ななみちゃんどう思う?」
桜庭「私に訊かないでください!」
落合「『かすかなキス』なら分かるんだけど。かするんでしょ? かするようなキス――」
岩田「めっちゃしつこいっすね!!!」
司会「(笑)この世界観はすぐ出てきたものなんですか?」
落合「降り積もる雪っていうイメージが最初にあって。僕は世界の終わりを描きたかったんです。それで、氷河期の東京で、岩ちゃん演じるアサヒが片思い……片思いですよね、片思いの相手を探し続けるという」
司会「その思いを雪に喩えるとすごい量ですよね、2mくらい積もってましたからね。大変じゃありませんでしたか?」
岩田「やばかったっすね」
落合「撮影前は雪が降らなかったんですよ。それで、どうしようって言ってて。そしたら2日前くらいに降ってくれた。だから、2人(岩ちゃん、ななみちゃん)のどちらかが雪男・雪女なんでしょうね」
岩田「ぜったい監督でしょ」
落合「ははは」
司会「このシチュエーション、もしかしたらありえるかもしれませんしね」
岩田「温暖化のこの世の中で?」
司会「わたし先日、気象予報士の方とお話しさせていただいたんですけど、今、少しずつ氷河期に向かってるらしいですよ!」
岩田「確かに最近めちゃくちゃ寒いですもんね」

司会「撮影に入る前に、監督からお話などありましたか?」
岩田「この作品は世紀末を舞台にしているけれど、世紀末のデートなんだとうかがいました」
落合「アサヒが海と出会って……ソリに乗ったりとかデパートのシーンとか。普通のシチュエーションだったら、普通のデートなんですよね。最後はこう、手を取り合って。実はすごくベタなんです。それをこのシチュエーションでやったらどうなるか、というのがポイントでもありましたね」
岩田「タイトルの『SWAN SONG』も……スワン、白鳥が、死ぬ前に鳴くらしいんですよ。そういうのも、世紀末の終焉に、最後に盛り上がる恋愛と重なるというか。ロマンチックだなと」
落合「鬼監督だけど」
岩田「監督は今ロスに住んでらっしゃるので、やっぱりそういう感性をお持ちなんだなあと思いましたね」
落合「毎日磨いてます(笑)」

司会「桜庭さんはいかがでしたか?」
桜庭「作品に関しては、撮影前に監督たちと台本の読み合わせをさせていただいて。ここはもっと明るくとかそういう話をしました。……で、監督はサプライズをいろんなところに入れる方で。台本にないセリフを『本番でだけ言って』とか。生の反応を意識しているというか」
岩田「あったね!」
桜庭「わたし、最後のシーン何回練習したかわからないですもん。最後に手袋を取って、岩田さんの手袋を取ってー、手を握るシーン」
岩田「あそこww ぼくスケベジジイみたいな顔になっちゃって」

まさかの「スケベジジイ」発言に、会場爆笑。

落合「あそこ台本にはなくて。普通に手を握るだけだったんですけど、ななみちゃんにだけ(お互いの手袋を取って握るよう)頼んで」
岩田「ぼく知らなかったから、なんかもうスケベジジイみたいな顔になっちゃって……(一礼)ごちそうさまでした(笑)」
落合「岩田くんにも頼んだからね」
桜庭「何がくるんだろうってどきどきしてました!」
落合「やっぱり、テイクを重ねるたびに(役者の)反応が同じになるんですよね。そうじゃなくて、素の表情が見たい」
司会「岩田さんはいろんな監督とお仕事されてきたと思いますが、どうですか? そういったサプライズを盛り込む方ってなかなかいないんじゃないですか」
岩田「あんまりないですね! しかも本人だけに言うんですよ。本番直前に耳元でボソッて(笑)。でもそういったディレクションのセンスがあってこそできた作品。カメラマンの方も、外国人の方とかいて。基本的に、やりとりが英語と日本語混じった現場だったんです。そういう意味では、海外で撮っている気分もありました」
司会「撮影は新潟で行われたんですよね」
岩田「新潟です」
落合「ちょうど今くらいの時期だよね」
岩田「大変でしたね……ショートショートということで、短い中で役柄を見せることを意識しないといけない。今回は監督が脚本も書かれているので、作品の設計図を持ってらっしゃるんですね。だから僕らはそれにひたすらついていこうと」
司会「なるほど」
岩田「尺が短いので起伏を作るのが大変なんですけど、賢さんが設計図をしっかり組み立ててくださっていたので、そのつど説明をしっかり受けながら撮影していきました」
落合「岩ちゃんからの提案もたくさんあったんですよ。アサヒの銀髪とか。あれ良かったなあ。どこから発想を得たの?」
岩田「あれは……(笑)そのとき、ぼくがたまたま金髪だったんですよ。で、この作品で金髪じゃまずいかなと。でも、金髪から黒とかにして、またその後に金髪にしないといけない仕事とかきたら大変だなー。って(笑)」
落合「そういうこと!(笑)」

蓋を開けてみれば最高に岩ちゃんらしい理由で、みんな笑顔に。

岩田「ちょうどHiGH&LOWを撮ってた時期なんですよね。それで(金髪だった)。髪といえば、撮影中に髪が洗えないシーンのつながりがあって。3, 4日洗ってないときがありましたね。桜庭さんが『くせー!』って思ってんじゃないかなあって思いながら撮ってました」
桜庭「そんなことないです!」
司会「ソリのシーンとか、かなり接近しますしね」
岩田「あはは」

司会「桜庭さんは、撮影中のことで印象に残っていることありますか?」
桜庭「皆さん今日観て分かったと思うんですけど、わたしには自分しか知らない事実があるので、それを頭に入れてずっと撮影に臨んでいました。家を開けて入っていくシーンとか、あそこはなるべく(撮影前に)現場を見ずに、情報を入れないようにしていました」
司会「つらいシーンでしたね。……ソリのシーンも印象的ですが、あれ怖くありませんでした?」
落合「ぜんぜん大丈夫でした!!!(食い気味)」
岩田「ははww」
落合「あっ僕には訊いてないか」
岩田「それ、やってないから言えるんですよね?(笑)めっちゃ怖かったですよ!」
桜庭「埋もれるってこんなことか、ってくらいすごかったです」
落合「実は前日に、助監督とかとテストしてるんです。みんなでぎゅっとくっついて、いくぞーって(笑)。机にスノボをつけて滑ってるんです。それで、いけるぞって」
岩田「その『俺は大丈夫でしたけど?』みたいな……(笑)」
司会「岩田さんいかがでしたか?」
岩田「……スリリングでした(笑)。危険とは言わないですけど!」
落合「最初は斜面の上のほうから滑ることになってたんですけど、だんだん下に降りてってね。そっちのほうが意外とスムーズにいけるからって」
岩田「そのほうがスピードが出るんですよね。……でも、怖いけど、(作品中では)楽しいシーンだから。それが大変でしたね」
司会「あのシーン、岩田さんの声けっこう入ってましたけども、ではあれは素ではなく台本にしたがって……ということですか?」
岩田「あ、でもあそこはアフレコであててるんです。アフレコで何やってんだ俺……って思いましたけどね(笑)」
落合「『あぁぁあぁぁぁ〜〜〜』って(笑)。あれ10テイクくらい撮ってるんですよ。『あぁぁ〜』をもっと長くしたかったんですけどね」
桜庭「あれ、あてるの難しいんです! 口の動きに。ソリが揺れてるし」
司会「ソリの乗り心地はいかがでしたか?」
桜庭「あんまりよくないです」
岩田「ガッタガタですね」
桜庭「でも、楽しかったです!」

司会「最後に雪の中を歩きながら、転んでしまうような場面もありましたが。あのシーンは撮っていてどんなことを感じていらっしゃいましたか?」
落合「あれは小学校の校庭を雪景色にして撮ったんですけど。『代われるものなら代わってあげたいっ』――」
岩田「ぜったい嘘ですよね」
落合「――って、暖房のきいた室内で見てましたね」
岩田「あれ、結局30分くらい歩いてるんですよ」
落合「距離としては、駅から家までを歩いてほしくて。で、2人の声とかが聞こえるんですよ。マイクつけてるから。『これまだ終わんねーの?』とか」
岩田「心の声が漏れちゃいましたね……」

司会「この舞台挨拶は上映後ということで……皆さんが気に入っているシーンや印象に残っているシーンがあればぜひお聞かせください。岩田さんどうですか」
岩田「ぼくですか? ぼくはやっぱりスケベジジイのところかな……アドリブでそれをされたから、本気で照れちゃって(笑)。で、スケベジジイみたいな顔でそのままオッケーイ!ってなったから、『スケベジジイで大丈夫かな』ってクランプアップ後も心配してましたね」

『スケベジジイ』連呼しすぎ問題。

落合「僕は、(気に入っているシーンが)いっぱいある。最後のシーンもそうだし。岩ちゃんがスコップで雪を掘って、地下道に入って、ギターを穴から入れて……っていうシーンありますよね。あれ、実は大変だったんです。なので思い出深いですね。実際に人力で地下道を封鎖したんですよ。で、撮影後、みんなで――僕も、次の日に開通(笑)できるようにって元通りにして。あれがいちばん大変でしたね」
岩田「うんうん」
落合「その、掘ったトンネルを抜けるときに……彼は運動神経がいいから、サラッと抜けるんですよね。普通は大変なんですよ。雪だし、狭いし、階段になってるし。さすがだなと思いましたね」
岩田「とんでもないです(笑)」
桜庭「私はスキー……」
落合「スキー? スノボ?(笑)」
桜庭「スノボ!(笑)スノボのシーンですね。一週間後どうなるかわからないっていう状況のなかで、2人が一生懸命に楽しんでるっていうところが」
司会「楽しそうでしたもんね! 普通のスキー場じゃできないですもんね。机でスノボって」
落合「机? ってなりますよね(笑)」

ここでトークはタイムリミットに。

司会「残念ながらお時間がきてしまいました。パンフレットには出演者の方々のインタビューも掲載されておりますので、ぜひ売店にお立ち寄りください。楽曲の収録されたCDも販売されていますのでそちらもぜひ。では写真撮影に入らせていただきますが、ここでサプライズです! ご来場の皆さんにも写真撮影していただけます」

本会場の来場者には、手持ちの携帯でステージ上を撮影できるボーナスタイムが。司会の方の「どうぞ!」から怒涛のシャッター音がライビュ会場のスピーカーにもがっつり入ってた。

撮影タイム終了後、落合監督が「僕もぜひセルフィーを」とiPhoneと取り出して、壇上から客席を背景にパシャリ。

落合「ありがとうございます」
岩田「監督、インスタもされてるので。皆さんぜひ」
落合「ははは」

締めに一人ずつ挨拶。

桜庭「今日はありがとうございます。ショートムービーだからこそ、ストーリーを観たあと皆さんの想像によって完成する作品になっていると思います。お友達、ご家族、恋人、いろんな方と、どう完成したかを話し合ってみていただければと思います」
落合「ショートフィルムなので、認知度を上げるというところもチャレンジングな作品です。ぜひ皆さんに、SNSとか映画.com、Yahoo!映画とかでも、気持ちをつづっていただければ嬉しいです」
岩田「短い時間ではありましたがありがとうございました。そして寒いなか本当にありがとうございます。いよいよ公開ということで、一人でも多くの方に届いてもらえればと思います。ぼくも昨日ネットニュースで知ったんですけど、このCINEMA FIGHTERS、HIROさんによると第二弾も決定しているということで。楽しみに待っていていただければと思います。本当にありがとうございました」