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わくぺめも

これが文化部のエクストリームスポーツだ

メモ帳をほぼ使い切ったので、同じものを新しく買った。

手のひらサイズの「あの」原稿用紙。名刺よりも一回り大きいくらい。セブンで買える。

ぺりぺりと切り離せるので、主に郵送物に添える一筆箋として使ってた。時候の挨拶も要らないような「お元気ですか。約束してたもの贈ります。またね」くらいのメッセージにぴったり(もちろんマス目は盛大に無視して書く)。あとは、ちょっとしたお礼でアルフォートとか買って渡すときに添えたりとか。直近だと、twitterの #いいねした人に手書きでなんか書く みたいなハッシュタグに乗っかったときにも消費した。

このメモ、とにかく受けがよい。なぜなら、だいたいみんなこの原稿用紙に見覚えがあるからだ。夏休みの宿題とか、「工場見学の思い出」みたいな作文とか、一瞬でフラッシュバックしたそれらのノスタルジーが「うわ懐かし!」という言葉になって出力される。それを「そうじゃろうそうじゃろう」と仙人みたいな顔で眺めるのが楽しい。

オマージュとかではなく、ほんまもんのコクヨとのコラボなので、細部までしっかりそのまんま。紙もたぶん一緒なんじゃなかろうか、薄くてちょっとだけかさついているこの感じ。そう、一般的なびんせんやふせんより断然薄いので、何枚か切り離して手帳に挟んでおくと急なお礼や手土産などの諸々に対応できて「そういうとこちゃんとしてる人」って感じになれる。なりたい。

ただしこれ、公式サイトによると中国・四国・九州のみの販売らしい。ほかの地区では、ふせんバージョンが売られてるみたい。ちょっとしたものに添えるなら、こちらのほうがのりやテープ要らずで便利そう。

ジャポニカ学習帳型のミニノートもあるらしい……九州ではキャンパスノート型だ。


自分がコクヨの原稿用紙を見て真っ先に思い出すのは、中学生のときに通っていた塾の自習室。夏休みの折り返し地点、登校日が提出期限になっていた読書感想文が書き終わらなくて、当日の夜に慌てて原稿用紙を埋めている自分がそこにいる。登校日『当日の夜』であって『前日の夜』ではない。つまり既に間に合ってない。間に合ってないんだけど、「日付が変わるまでが登校日やろがい」の精神で追い込みをかけているのだった。「追い込み」というよりは「追い込まれ」というか、追いすがるというか。

登校日当日、全校集会や部活が終わったあと家に帰る間も惜しくて、通学路にある塾に立ち寄って感想文を書き上げて、また学校に戻り、職員室にスッと忍び込んで先生の机にフワッと原稿用紙を乗せ、ダッシュで家に帰る、というエクストリームスポーツに挑んだわけで、今思い出しても「何やってんの」と言うほかない。もちろん当時母にもまったく同じ言葉をかけられてるので安心してほしい。

アホ極まりない流れで提出された読書感想文だけど、内容としてはそこそこいい線いっていたようで、なにかの賞に選ばれた気がする。そのとき自分は先生の顔を思い浮かべて「提出が遅れた作文にも賞に応募する権利をくれたんだなあ、個別のものごとを切り離して考えるすごい大人だなあ」というようなことを考えていた。どのツラ下げてお前。

なにかの賞に選ばれた気がする

もらった賞がなんだったのか忘れているのは、それが満足いくものではなかったから。地区の銀賞か特別賞か……とにかくトップの賞ではなかったと思う。とはいえ、「まあそんなもんだろうな」という感じで、満足ではないものの納得感はあった。それはそれは追い込まれた状況で書き上げたので、最後の締めが平凡になってしまったという自覚があったのだ。出だしは割と目を引く感じで独自性が出てたんだけど、なんかありきたりなまとめになっちゃったな、もうちょっと練ってればもう一つ上の賞が獲れてたのかもしれない。あーあ、やっぱりギリギリにやるのははだめだな。ギリギリにやるのはだめ。

書いてて若干胃が痛くなってきた。そう、ギリギリにやるのはだめなのだ。2018年の目標は全日本ギリギリマン協会から名誉の除名処分を受けることです。がんばります。