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わくぺめも

夢の退職エントリ

先月、それまで勤めていた会社を退職した。昨日で有給休暇を消化し終えて、今日からは新しい職場で勤めはじめる。

なぜ退職したのか

仕事と私生活のバランスを考えて、決断した。ってこれはだいたい誰にでも当てはまるか。もう少し詳しく書きます。

先日までいた会社では、一つの大きな案件に継続して携わりつつ、合間に他の案件にも関わるという感じの働き方をしていた。1本の太い幹があって、ちょこちょこと枝葉があって、みたいな。けれど、次第にメインの案件の比重がどんどん大きくなって、けっこうきびしい状況になってきていた。端的にいうと、首が回らないという感じ。幹にしがみつくのが精いっぱいで、枝葉に目をやる余裕がない。体調も、万全でないのがデフォルトっぽくなって、これはちょっといったん立ち止まる必要があるな、と考えたのだった。

メインの案件にはそれなりに長く携わっているため、自分の裁量も大きくなってきているので、会社にいながらにしてその案件だけから離れるというのは現実的ではない。とはいえ、このままだと他の案件を差し込む暇も少なくなりそうで、自分が想定していた働き方とは乖離が生じる。想定していた働き方というのは、まったく違うテイストの案件に関わること。気付くことや学ぶことは多いし、単純に楽しくて好きだから。

私生活というのは、体調という意味でもあるし、趣味という意味でもある。休日にはきちんと病院に通って、趣味の予定を減らして減らしてやりくりすれば、仕事を回すこともできなくはない。でも、それは一時的にやむを得ず陥る状況ではあっても、当然のものとして続けるものではないよなと思った。

どういう流れで転職活動を進めたか

まずは退職してからじっくり転職活動をするというやり方もあったんだけど、自分は在職中に面談・面接を受け、転職先を決めるところまで完了させた。それができたのは単純に、「ある日ふとメールボックスを見たら転職相談会の案内が届いていたから」。なので、特記できるノウハウとかコツは正直ほとんどないです。申し込んで、面談受けて、内定をいただいただけ。

就活時にお世話になったエージェントは転職相談も積極的に受け付けているところで、就職後も定期的にメールマガジンを送ってきてくれていた。就職した時点で登録を解除しても良かったのだけど、メールマガジンが業界の情報源の一つになっていたこともあって、そのまま受信し続けていたのだった。ある日の仕事の帰り道、死んだ魚みたいになった目で受信トレイを流し見していたら、「転職相談会実施!」という文字列が目に入り、ちょっと目が覚めた。日程を確認すると、なんとその週の土曜日。「ああ、これは『今だ』ってことなのかもしれない、ていうかなんかもう今しかない気がする」と感じて、そのままスマフォから申し込みを済ませた。

これだけでも、自分にとっては快挙といっていいくらいの瞬発力だったと思う。携帯で見られないわけでもないのになんとなく「後でPCから見よう」と放置して、そのまま忘れて買い逃した・申し込み損ねたもののなんと多いことか。

その後、エージェントの担当者に状況を話し、どういった働き方をしたいかなどを少しずつ具体的に固めながら面接を受けていった。残業続きで面接を受けられない時期や休日出勤などについても、正直に企業に相談して融通していただいたので、仕事を休んで転職活動に割くといったことは一度もなかった。

転職について、自分から発信できる特別なノウハウやコツはないけど、気づいたことならいくつかあるので書いてみる。言うまでもないとは思うけど、職種や地域などによって状況は変わるので、一つの体験談として。

在職中に転職活動して正解だった

自分の性格上、退職してから転職活動をやろうとしても絶対100%確実に間違いなくダレていたと思う。自分は実家暮らしなので、住むところの心配はひとまず必要ない。なんというか、やろうと思えばいつまででもダラダラしていられるわけだ。その状態で履歴書と職務経歴書を準備して……とか一生かかっても取りかかれる気がしない。だから、勢いで転職相談会に申し込んで、当日その場でいくつか企業を提案してもらい、そのまま面接になだれこむという流れは、計算していたわけではないけれど結果的に自分に合っていたと思う。

思ってた以上になんとかなる

転職相談会に申し込んだ時点で、履歴書も職務経歴書も準備できていなかったし、なんならそれを持たずに面接に行きさえした。けど、なんとかなった。こういう仕事をしています、こういうものを作っています、と落ち着いて説明して、相手からの質問へできるかぎり丁寧に答えたら、だいじょうぶだった。募集をかけている企業のほうも、新しい人材を心待ちにしているわけだから、だいたい快く対応してくれてありがたい。その結果、相談会から1ヶ月で転職先を決めることができた。これが相場(?)と比較してどうなのかは知らないけれど、自分はその何倍もかかることを覚悟していたので、びっくりしたし嬉しかった。なんとかなるもんなんだなあ、としみじみ感じた。

転職活動じたいが自信になる

仕事をしていると、ミスしたり変な客先とごたごたしたりして、なにかと自信を失ったり凹んだりしやすい。社会とは……人生とは……自分の価値とは……みたいな気持ちにもなる。「謙虚にならねば」「身の程を知らねば」という価値観に縛られて自分自身が見えなくなっていたりもする。転職活動を始めて、企業から「ぜひ来てください!」という姿勢で話を聞いてもらううち、そうやって見失いかけていた自尊心を取り戻したような気がした。自分は誰かに求めてもらえる存在なのだ……生きてていいんだ……! みたいな。おかげで、残りの在職期間はいくぶん元気に過ごせた。皮肉なものだけど。

頑張ります

転職先での勤務はまだ始まっていないので、「転職して良かったです」とはまだ言い切れないけど、「転職活動して良かったです」とは迷いなく断言できる。お世話になった人たち、体調などを心配してくれていた人たちに安心してもらえるように、無理しすぎず頑張ります。

よろしくお願いします

あの子

マルイをぶらぶらしていたら、とあるテナントの店先でPepperくんが接客をしていた。何人かのお客さんが立ち止まって、軽くちょっかいを出してはまた去っていく。自分は向かいのお店にいたんだけど、Pepperくんの声だけは聞こえてきた。
「あれれ? ぼくの体がちょっとおかしいみたいですー」

まじか、と思って店を出てPepperくんに近づいたら、もう一度「あれれ?」と声がする。「だいじょうぶ?」と声をかけてみると、「ぼくの体がちょっとおかしいみたいですー」と、今度はこっちの顔を見上げるようにして言う。ちょっとのんきな顔、に見えなくもない。続けて「すみませーん、スタッフを呼んでもらえませんかー」というようなことを言ったPepperくんはうつむいてしまったけど、こちらが「おうおう」となんとなく返事をして、これもなんとなく彼の右手を握ったら、ゆっくり顔を上げて、こちらを見つめてきた。

ここまでは正直とくに違和感がなかったんだけど、奥で作業をしている店員さんのところまで行って発した、自分の言葉にものすごい衝撃をおぼえた。
「なんかあの子が調子悪いみたいです」
ははあ、『あの子が調子悪いみたいです』だって。あの子。あの子て。機械だよ。機械なのに。『あの子』が『調子悪いみたい』って。おいおいおい。しかも店員さんのほうも、「あ、ありがとうございます!」って普通にPepperくんに駆け寄っていったし。Pepperくんぐったりしてるし。やばいやばい。だいじょうぶかよ。

店員さんが何やらPepperくんにタッチすると、彼は映画やドラマでみぞおち殴られて一瞬で気絶した人みたいに(喩えが悪すぎる)背中を丸めて静かになった。けれどすぐに、ゆっくり上体を起こして、「こんにちはー」ときょろきょろし始めた。元気だな。再起動してもらったのかな。よかったね。お店を出ながら振り返ってPepperくんに手を振ったら、彼は直立不動で無言のままあの目でこっちを凝視していた。いや手ー振り返すとかしてよ! やっぱちょっと怖えーよ!

見届ける映画。『この世界の片隅に』

ものすごい作品に出逢った、と思った。

この作品を劇場でリアルタイムに観たことを、自分はきっと一生のうちのいちばん大切な出来事として抱き続ける。誇張なしにそう感じた。そういう映画だった。

以下、前半はストーリー上のネタバレなしで、後半はネタバレありで書いています。後半に入る前にそれとわかるよう区切ってあります。

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tumblrで日記を書いています。

 

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